東京デビューしたい大学生の宿泊活動

“たいていの人が考えているよりも、上手に書くことはずっと重要だと思う”byポールグレアム 

最後に言われたあの言葉が今でも頭から離れない。トビタテ留学JAPAN2次審査で自分が意識していた3つのこと

6月6日に東京で開催されたトビタテ留学JAPAN2次審査に参加してきた。

運良く合格することができた。

トビタテ留学JAPANとは、文部科学省が、意欲と能力ある全ての日本の若者が、海外留学をはじめとして新しいチャレンジに自ら一歩を踏み出す気運を醸成することを目的とした留学促進キャンペーンのこと。

これ以上説明するのは面倒なのでいくつかリンクを貼っておく。

www.tobitate.mext.go.jp

www.youtube.com

 

・トビタテについてあれこれ

経済学部で統計学を勉強しているのわたしは常々、世の中は比率で動いていると自分に言い聞かせている。

まず前提としてトビタテの選考についていくつか書いておくと

A.1次は書類で選考され、2次審査では面接・プレゼン・グループディスカッションの総合的な出来で選考される。

B.多様性人材コースはトビタテの中で最も倍率が高いコースである。

C.合格する学生の大多数は受け入れ先の大学が審査の前にすでに確定している。

D.留学が1 年以上となる計画の支援人数は、支援予定人数全体の1 割を上限とされてる。

E .就職活動などによって面接やグループディスカッション慣れしている学生が多い。

そこで質問なのだが、「トビタテ留学JAPANに応募した学生」のうち、(1)多様性人材コースで、(2)留学先の大学が正式に確定もせず、(3)13ヶ月以上のプランで、(4)面接やグループディスカッション初体験の大学2年生が、(5)正式に採用される人の比率

は何%だろうか。

 

多めに見積もって2%くらいだろう。

その「2%」に私が入れた理由のうち、9割は周りのサポートのおかげだ。そこは否定しない。残りの1割は、わたしの2次審査に対する姿勢、結果のおかげだと自負している。

会場では、多くの同世代の面接前の態度やプレゼンやグループディスカッションを見ることができたのだが、思ったことがいくつかある。

自分が感じたこと、私の2次審査に対する姿勢を、トビタテ4期や5期を考えている人からそれぞれに同じように0からアドバイスをメッセージするのは非効率なのと、最近まわりから「こうは早口すぎて滑舌悪すぎて何て言ってるか理解できない」とよく言われるので文章に書き落として、ネットにまとめておく。

 

・トビタテ留学JAPAN2次審査で自分が意識していた3つのこと:

 

1、偏見と憶測だが、面接の待機時間では、他の人は期末試験を受ける前の人が多かったのに比べて、自分は合コンや新入生歓迎会気分だったことが多かった気がする。

2、偏見と憶測だが、プレゼン会場では、他の人はドラマの主人公を演じている人が多かったのに比べて、自分はドラマの2番手を演じていたことが多かった気がする。

3、偏見と憶測だが、グループディスカッションでは、他の人はボート競技をしていた人が多かったのに比べて、自分はサッカーをしていたことが多かった気がする。

だと思った。

「自分や、自分の周りの人はそうでない」と突っぱねたい気持ちは分かるが、応募者全体という大きな視点から想像してみてほしい。ここは一旦わたしが正しいと仮定して本題に進みたい。正しいと思わない方は、あとから文句を言われても困るので、ここで読むのを止めるべきだ。

 

1、偏見と憶測だが、面接の待合室では、他の人は期末試験を受ける前の人が多かったのに比べて、自分は合コンや新入生歓迎会気分だったことが多い気がする。

待機室に行くと、ほとんどの学生がスーツだったことや1次の書類選考で書いた自分の答えをコピーしたものを暗記するかのようにずっと凝視している光景に驚いた。

まるで期末試験のまえだ。

自分はカジュアルな私服だったことに加え、気があった友達とぺちゃくちゃおしゃべりしていた。

まるで合コンや新入生歓迎会のまえだ。

物珍しそうな目でジロジロ見られたりもしていた。しかし、就職活動と違って、トビタテの2次では服装の指定はどこにもなかった。ここで一度考えてみてほしい。

本当にこのゲームを有利に運べるのはスーツと私服のどちらだろう?

私の答えは後者だ。なぜなら、服装はこのゲームで自分が持って来れる唯一のアイテムだからだ。アイテムとはゲームを優位に運ぶものだ。

「アイテム」より「気持ちや中身」のほうが重要だという反論をしたい方は@chibicodeさんのTeaching Someone To Code Is Partly A Hardware Problem という記事を読むべきだ。

『みんなプログラミング教育に大切なのは、教材やモチベーションと思いがちだけど、実はキーボードやモニターといったアイテムも大事だよ』ということを経験をふまえて語られている。

プログラミングにせよ、面接にせよ、何かをする上でアイテムはけっこう大切なのだ。

優位に運ぶことができるのは間違いなくスーツではなく、私服だろう。自分が留学先でしたいことや過去の経験を服装に関連づけることができるからだ。

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(↑左)

実際に私の面接では、「その服装いいね、どこで買ったの?」と褒められ、聞かれたところからはじまった。わたしは、合コンで言う“つかみ”に成功したわけだ。サッカーで例えるとファーストタッチに成功したわけだ。

不合格者は期末試験を受ける前の人が多かったのに比べて、合格者は合コンや新入生歓迎会気分だった人が多いことを裏付ける根拠もある。

第2次審査後の交流会で、トビタテの発起人である船橋ディレクター(@c_funabashi)が、「みんな今みたいなラフな感じでトビタテの選考や就職活動をすると合格するよ」とおっしゃっていた。

ちなみに審査員は協賛企業の人事や役員がほとんどだったという。

 

 

 

 
 

わざわざ、私のツイートをリツイートしているということは少なくとも私服であることは悪いとは思っていないと推測できる。つい最近フォローもされた。

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2、偏見と憶測だが、プレゼン会場では、他の人はドラマの主人公を演じている人が多かったのに比べて、自分はドラマの2番手を演じていたことが多かった気がする。

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 テレビドラマでは、自由奔放にかっこよく生きる主人公に目が行きがちだが、気が利いて陰で主人公を支える2番手キャラなくして主人公は目立てないし、テレビドラマは成立しない。

自戒をこめて書くが、プレゼンでは、自分が「いかにすごいか」や自分が留学先で「とにかくこれがしたい!」と語ったり、プロジェクターの使えないパソコンの見にくい小さい画面でプレゼンするなど聴衆に配慮できていなかったりして、テレビドラマの主人公を演じていた人が多かった気がする。

上手い悪い関係なく、「無意識にドラマの主人公になろうとしている」気がする。文字で表現するのが難しいが、「この人はドラマの主人公になろうとしているのか?」を頭にいれてプレゼンを見てみると、Yesの確率がMaybeの確率より高くなる気がした。

応募する人がみんな元気なのは分かっているので、それを表面に見せすぎる意味が感じられない。他で勝負するべき。自分の留学にお金を投資してくれる日本に気を使うべき。「このプレゼン方法だと審査員が画面やスケッチが見えやすいか」を配慮したり、「自分がしたいことが日本や世界でどんな文脈にあるのか」や「自分の留学をどうやって具体的に日本への貢献に結びつけるか」を述べてドラマの2番手を演じるほうが「トビタテのプレゼン」では機能するのではないかと個人的に思う。

主人公の心情描写の時間に比べると、他のキャラの登場時間は圧倒的に少ない。だから他のキャラは登場時間ひとコマあたり、主人公より大きく人の心を動かさないといけない。多くのアイデア・プレゼンは短く、人もすぐ飽きるのだから、できるだけ「人の心を動かしてない」秒数を最小化しないといけない。視聴者に考慮して、コナンの一事件を最初から最後まで見せるよりも、複数の事件から黒の組織の登場シーンばっかり抽出するイメージ。

ドリブルやシュートだけで勝負をかけてる気がする。4分という短いプレゼン(試合)ではドン!と人が涙を流すセリフを言うためのゴールを作りにくいのだから、無理しなくていい。サッカー元日本代表遠藤選手の「リズムを作るパス」を要所で入れるほうがいい。

 

3、偏見と憶測だが、グループディスカッションでは、他の人はボート競技をしていた人が多かったのに比べて、自分はサッカーをしていたことが多かった気がする。

 

 ボート競技ではチームの息(協調性)が全てであるのに対し、サッカーではチームワークをベースにゲームを優位に進め、最後は個が試合を決める。個とは速さやシュートやドリブルやセンタリングやヘディングなどの自分が持つ圧倒的な武器をさす。

 ーグループディスカッションってやっぱり協調性を審査員に見られてたよねー

ー絶対そうだよ!

頭と集中力を酷使し、疲れ果てた2次審査の帰り道にこんな会話が聞こえてきた。偏見と憶測だが、グループディスカッションでは協調性を意識しすぎたり、抽象的な意見しか出さない人が多かった気がする。

同じゴールを目指さないといけない就活ならまだしも、(1)世界各国へ留学する、(2)全国各地から集められた学生が、(3)即興で決められたチームで、

協調性が一番評価される対象になる意味が感じられない。

完全な主観だけど、審査員は「この人はサッカーができるか」を見ていた気がする。つまり、チームの規律や空気を壊しすぎずに、流れを見て、自分の個性や武器や創造力をだせるかだせないかどうかを。

「留学生活をどうしたら充実させることができますか?」がグループディスカッションのテーマで、まずそれぞれ時間1分が与えられ、3つのアイデアを考えさせられた。この1分で考えたアイデアをそれぞれでだしあい、意見しあい、最終的に1人がまとめて審査員の前で発表するというものだった。

「情熱や努力」などの当たり前すぎる抽象的すぎる答えをだす人が多かった。それはそれで多いに結構で、否定する気はないのだけど、自分の個性が埋もれてしまい、審査員にアピールできない気がする。

自分はシリコンバレーというITの聖地のような場所に留学予定に加え、ITリテラシーがこのチームで自分の強みであることは明白だったため、ITに結びつけてテーマについて考えた。

自分が出した答えは以下の3つだ

1.英語力はDMM英会話というオンライン英会話サービスを使うことで、留学に行ってから身につけるのではなく、留学前に身につけるべき。そうすることで留学先では英語ではなく、自分の専門分野の勉強に集中できたり、より友達と仲良くなれる

2.留学先でmeetup.comEventbrightAirbnbというアプリを使うことで現地の同じ興味を持った人たちが集まっているコミュニティに参加できる。

3.トビタテ学生発信局ブログなどを使って外に発信することで、トビタテコミュニティに貢献することができ、同期との結束の強化や切磋琢磨を図ることができ、より頑張れる

 

考える時間は1分なので、サッカーのように機転の良さや頭の回転の速さも求められた気がする。2について知っている人があまりいなかったので、最後はなんとなく自分がまとめて発表したほうがいい感じになり、審査員にみんなが出し合った意見をうまく結びつけて発表した。

個性と創造力を発揮したおかげでシュートを打つチャンスまで巡ってきたわけだ。

 

まとめると、完全な主観ですが、自分は合コンに行ったら、サッカーをすることになり、そこでは本田ではなく遠藤を演じるようにするようにイメージしました。

 

 

最後に、

ーこー君面白いねー

ー頭の回転速いね〜。あまりにもしっかりしすぎてるから、面接早く終わり過ぎてしまったよ。なにか社会人に聞きたいことない?(笑)(15分経過後くらいに)

わたしは、面接官にはかなり褒められたと思う。これで落ちていたら人間不信になるんじゃないかって感じだった。面接官は、結果もまだ全くわからないのに、最後にこんなことを私に言った。

 

ーこー君、確かにトビタテは支援も厚く、仲間もできる素晴らしいプログラムだと思う。でも、そこに安住しては絶対にだめだよ。それだけはぼくと約束してほしい。

この時の言葉をよく思い出す。喉に引っかかった魚の骨のように、ずっと残っている。

 

 

 P.S

今日は誕生日ということで せっかくなので欲しいものリストを作ってみました。ちゃっかりシェアさせていただきます。ご協力いただけると大変嬉しいです! いや、別に気持ちだけでも全然嬉しいんですけどね。ほんとに。ありがとうございます笑

www.amazon.co.jp